定期便への思い

日本のみなさまに魚介類をもっとたくさん食べてほしい

日本国内の食用魚介類の1人1年当たりの消費量は、平成13(2001)年度の40.2kgをピークに減少傾向です。令和2(2020)年度は、ピーク時に比べて6割程度まで減少している状況です。水産白書によると「消費者が魚介類をあまり購入しない要因は、価格の高さや調理の手間等。経済性志向が横ばい傾向となっている一方、簡便化志向が高まっており、消費者の食の志向が変化。」とのことです。一方で世界的にみると、1人1年当たりの魚介類の消費量は増加傾向であり、過去50年で2倍にまで増加しています。

国内での魚介類の消費が減少傾向なので、当然ながら日本の生産量(漁獲量)のうち国内消費仕向量も減少傾向です。また、漁業就業者も減少しており、そうなると国内の生産量(漁獲量)自体も減少、というように完全な悪循環の真っただ中という大変残念な状況です。

このような状況に対して江戸前鮨職人としてできることは何か?

まずは漁師や養殖業者の方々が提供する魚介類を美味しく調理し、多くの皆様に召し上がっていただくことであると考えています。

  • 日本の近海は生物多様性が高い海です。実際日本で獲ることができる魚種は豊富でありそれらをネタとした美味しいお鮨を作る
  • お鮨を冷凍で提供することで、これまでは本格江戸前鮨を食べる機会が少なかった地域にお住いの方々にもお楽しみいただくこと

日本での魚介類の需要が増えればおのずと日本の生産量(漁獲量)のうち国内消費仕向量も、また漁業を志す方も増え、漁業が再活性化すると信じています。江戸前鮨職人であり旬瞬凍シンニギリだからこそできるこれらの取り組みを通じて、日本の漁業を、さらには、世界の食卓をいっそう豊かにしていきたいと思っております。

参考文献

水産庁『令和3年度 水産白書』 https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R3/220603_3.html

一般社団法人 平和政策研究所『日本の水産資源・漁業の未来 -国際的議論と国内の課題』 https://ippjapan.org/archives/1896